- 制作実績
壊れたシャッター、3Dプリントで復活できるか⁉
先日、shrinkのお問い合わせフォームより以下のようなご相談メールが届きました。
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2005年頃設置の手動シャッターのプラスチック部品が破損し開閉できなくなりました。製造元に修理を依頼しましたが「部品は供給終了、取り外しのみ対応可」との回答でした。シャッター部材を製造していたメーカーにも相談しましたが、部品・図面とも提供は難しいとのことでした。
※サッシ一体型のため新品交換の場合工事費 約50~60万円
そのため、修理するには破損した現物から複製する以外に方法がなく、貴社にたどり着いた次第です。
【ご相談内容】
・ 破損部品をスキャンし、欠損・破損した部分は 補う形でSTLデータ化していただけますでしょうか
・ そのデータをもとに、貴社の3Dプリンターで複製品の製作
・屋外シャッター内でバネの力が常にかかる部位のため、強度・耐久性のある素材をご提案頂けますと幸いです
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↑メールに添付されていた写真です。
あちゃちゃ、完全に折れてますね。設置から20年経っていますので長年の使用で破損したものと思われます。
弊社の回答としては「形状再現はおそらく可能ですが、機能性の補償はできません」とお伝えさせて頂きました。
上記内容をご了承頂けましたので破損品を送ってもらいシャッター復活計画スタートです。
届いた破損品をスキャンのために接着をします


足りていない破片がありますね。ここは全体から元の形状を想像して作るしかなさそうです。またメスネジ機構があるのでこの部分は3Dプリントで作ることはベストではないでしょう。強度優先であれば、「インサートナット」が正解だと思います。※インサートナットの説明は省略します
少し調べるとこの部品の素材は「POM」というもので製造業ではよく「ジュラコン」と言われる素材です。控えめに言ってめちゃ丈夫な素材です。 プリント素材どーしよっ…悩む…
まずはスキャンですね、スキャンデータがこちら↓


このスキャンデータを元に3Dプリント用のデータを作ります。ただ全く同じ形状ではなく、インサートナットを入れる部分を作る必要があるのと、円柱の中の十字部分は全て埋めて強度アップを図ろうと思います。


画像から分かりにくいですが、穴側面が少し赤くなっている部分にインサートナットを入れる予定です。
3Dプリントする素材はかなり悩みましたが、繰り返し強度に強い「カーボン複合樹脂」に決定!耐水性もありますし、屋外環境でも耐えることができるのではと選定しました。
3Dプリントしたモデルに「はんだごて」を使いインサートナットを熱した状態で挿入。一発勝負なので少し緊張しますねー。ぐにゅーって感じで楽しいけど。ぐにゅーって。


でけた 破損品と比較してみる


あとは実際に使えるかどうか祈るのみです。
納品後、しばらくしてお客様からメールが届きました。
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先日、いただいた複製部品を使い、無事にシャッターの修理が
完了いたしましたので、ご報告いたします。
複製品はぴったりと組み付き、シャッターも問題なく開閉できる
ようになりました。shrink様の丁寧なご対応のおかげです。
長きにわたり、丁寧かつ誠実にご対応いただき、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
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お~‼ 良かった!これは嬉しいですね。最初のお問い合わせからデータ確認や素材選定など、なんやかんやで1ヶ月以上納品までにかかったこともあり達成感がありますね~。
最後に1つだけお伝えさせてください
シャッター修理を相談したメーカーさんは決して不親切ではなく誠実な対応をしてくれたようです。
「耐久性や安全性が担保できないため、複製した部品をメーカー側から提案・提供することは難しい」というとても理にかなった誠実な対応ですね。
今回はお客様がそのリスクを承知した上で自身で複製品制作を試みた一例になります。
なお、シャッターのバネには強い力がかかっており、ご自身での分解や取り付けは大変危険ですので専門業者にご相談ください。
3Dプリントした複製品を使う事で必ずうまくいくとは限りません。純正でないことのリスクをしっかりと理解し安全第一でものづくりを進めることが大事ですね。
では、また。