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3Dプリンターで椅子を作るお話
今回はタイトル通り、3Dプリンターで椅子を作るお話です。また、造形サイズが大きめの3Dプリンターについても少しご紹介させて頂きます。
上の写真、作業机にある会社の椅子なのですが、パイプ椅子て… いや、クリエイティブ感足りてなっ 気分上がんないのよねー
という訳で自分で作る事にしました。家具作るの初めてかも、楽しみです。
今回使用する3DプリンターはMingda社のFFF(FDM)方式 3Dプリンター 「Magician PRO」というもので、最大造形サイズは400mm角になります。
ですので、椅子の高さは400mm以下になるのですが、経験上3Dプリンターの場合MAXサイズで造形するとろくなことないので、少しだけ小さめにデータ調整しました。(もちろん個人的な見解です)
データはこんな感じ。座面Φ300mm、高さは390mmくらいです。
上手に造形できれば、しゃれとんしゃーなはずです。
なるべく造形時間を短くしたいので、強度の不安は少しありましたが、フィル(充填率)は20%にしました。
またこれぐらいのモデルになると重量がとても重くなり使い勝手が悪くなる為、フィルは少ないパーセンテージが良いと思います。
造形ピッチも0.3mmでなるはや造形仕様です。
ではでは早速造形スタート!
★ 造形開始から2日目
分かってはいましたが、サポート材ががっつり付いてますねー。除去が大変そうだなぁ…
ちなみに上の写真の状態で造形時間は42時間!まだ14%⁉ 先が長いぜよ。
もしかしたら上のタッチパネルの写真を見て気付いた方もいるかもしれませんが、実はこの3Dデータはもともと「ペンホルダー」なんです(笑)
ペンホルダーを逆さまにして丸椅子で使えるように少しだけ微調整しただけなんですよ。スケール変更が自由自在なのが3Dデータの魅力ですね。
★ 造形開始から4日目
おー、できとるできとる、順調だ。
にしても3Dプリンターは働き者です。休みなしですでに100時間以上も頑張ってくれています。
となるとshrinkはブラック企業といったところでしょうか。
★ 造形開始から6日目
できたーーーっ!!
ヤバみちゃんですねー、造形時間148時間53分 フィラメントは3.7Kgほど使用しました。
5月の私の勤務時間と変わらんじゃないかw
一部サポート材やモデル表面にやや荒れている箇所がありますが、この価格帯で考えれば十分な仕上り精度ではないでしょうか。
しかし実はここからがとても大変なんです。つまり、サポート除去地獄が待ってるんですね~。
ぎゃー、びっしり過ぎる! ペンチにニッパー、カッターや彫刻刀にハンマーまで使いました。
手が痛い。
汗だくだくになりながら、丸1日かかりました。ボロノイ少し後悔。。。
翌日、次の作業は研磨です。サポート痕がチクチクするので研磨は必須ですね。今回の素材はPLAという素材を使ったのですが、PLAは研磨に向いてません。研磨しても表面が毛羽立ってあまり綺麗になりません。それでも、PLAを使うのは、造形時にモデルの反りが起きないからです。特に大型モデルはPLA一択と言っても過言ではありません。
・・・
・・研磨終了!
写真では分かりにくいですが、ゆでたまごとほぼ同一の質感になりました。 ※嘘です
さらに~、座面をΦ300mmにしたのは丸型クッションのサイズを考えて計算していたのだっ!はっはっはー天才か。
はい、完成。どすか?しゃれとんしゃー?
トータル製作時間で160時間、福岡県の最低賃金が900円なので160×900=144,000円 の価値はあると信じる。
いざ、パイプ椅子に下剋上じゃい!
わーい、アゲー⤴ アゲー⤴
このような低価格帯の大型FDM機は、最近次々とリリースされていますね。今回のMagician PROもおすすめですが、ネットのレビューなどでは、ELEGOOの「Neptune 3 MAX」(420*420*500mm)や最近発売された「CrealityのCR-M4」(450*450*470mm)もかなり優秀なマシンのようです。
大型造形機は軸のブレが起きない安定性が最も大切だと思います。ですので、選ぶ際は造形スピードより筐体がしっかりしたプリンターを選びましょう。
造形時間の短縮はノズル径でも改善することができます。一般的には0.4mmノズルが標準になっていますが大きなモデルを造形する際は0.6mmノズルを使用してピッチ0.4~0.5㎜で造形することでも大幅に造形時間の短縮になりますね。(もちろんモデル形状を選びますが)
また今回感じたのは、大型モデルは何回もフィラメント交換が必要なため、プリンターの傍にいなくてもフィラメント残量が分かる機能を有したマシンは大変便利だと思いました。ちょこちょこ確認する必要が無くなりますからね。
機会と機械があれば次はさらに大きな家具にチャレンジしたいと思っています。
ではまた。