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唯一無二の「地獄極楽絵」をデジタルアーカイブ!

こんにちは、fukuoka tanaka です。みなさん、博多駅から歩いて10分で【木造では日本最大の大仏】を拝むことができるなんて知ってました?その福岡大仏があるのは『東長寺』というお寺で、歴史の授業で学んだあの空海が日本で最初に建てたお寺だそうです。

地獄極楽絵

その福岡大仏もさることながら、大仏の内部に入る【胎内めぐり】なるものが体験できるのも魅力の1つです。
上の写真がその内部なんですが、この写真からも大仏の大きさが分かりますね。

胎内めぐりでは、なんとも恐ろしい9枚の地獄絵と1枚の極楽絵を見ることが出来ます。ちなみに、この絵は全て博多人形師さんが作られたものだそうです。

普段の↑この白肌で清楚なイメージとのギャップがすごいです。ギャップ萌えすら起きませんね。
最後の地獄絵からは突然の闇に覆われ、何も見えなくなります。暗闇にある手すりだけが道案内になり、恐る恐る歩いて行くと極楽に繋がるという内容になっています。これは、仏様の教えを信じて進めば、今は暗闇でも必ず極楽に行くことができる。
というような仏の道の教えになっているそうです。

デジタルアーカイブ

少し前置きが長くなりましたが、シュリンクではこの地獄極楽絵をデジタルアーカイブさせて頂くことになりました。
ちなみにデジタルアーカイブというのは・・・
博物館・美術館・公文書館や図書館の収蔵品を始め有形・無形の文化資源(文化資材・文化的財)等をデジタル化して記録保存を行うこと。  ・・・というふうにwikipediaでは説明されています。

私が考えるデジタルアーカイブのメリットについてはこちらのブログでも紹介しております↓
長崎県南島原市の文化財をCGデータ化

撮影場所は薄暗いためライトをセットして撮影をしました。手前に柵があるためなかなか苦労しました。手が長くてよかった(笑)

普段は写真撮影も禁止されている貴重な展示物ですので、3Dスキャンにも力が入ります。

使用した3DスキャナーはArtec Evaというもので、ハンディタイプで小回りがきき、今回の被写体にはベストな機材です。

10枚の絵の撮影時間はトータル3時間ほどかかりましたが、とてもきれいにデータを取得できました。

3Dデータの補正作業

既存の3Dスキャナーのほとんどにいえることなのですが、取得データは必ずなんらかの補正作業が必要になります。
ここで大切なのは、デジタルアーカイブの場合は極力取得したデータに手を加えないことです。

データの欠損を補う「穴埋め処理」も自動処理をかけるのではなく、形状を判断しながら人の手で行うこともあります。
なるべく現物に近いデータを心掛けて制作していきますので、とても骨の折れる作業になります。

色の補正も必要な箇所だけ丁寧に行います。

パソコン上で見ても迫力がありますねー。

弊社では4つのソフトウェアを使って補正作業を行いました。

次回は取得したデータを使って3Dプリント

次回はこの3Dデータを元に3Dプリントを行ってみましたのでそちらをお伝えできればと思います。

東長寺にまだ行ったことのない方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。博多周辺は沢山のお寺があるのですが、そのほとんどが無料で入場することができますよ。

それではみなさん、悪いことをして地獄に落ちないように気をつけましょう!