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長崎県南島原市の文化財をCGデータ化

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こんにちは、三度の飯よりCGモデリングのtanakaです。今回ご紹介するのは「文化財のデジタルデータ化」のお話です。弊社の実績を通して1つの活用例をご紹介します。業界ではデジタルアーカイブなんて言い方をするのですが、いったいなぜ文化財をデジタルデータにする必要があるのでしょうか?

大きな理由は3つだと考えます。

1.
人災や天災等による文化財の破損、また経年劣化による文化財へのダメージを考えて今の状態を後世に残すため

2.
デジタル化による考古学的発見。高精細スキャナなどで読み取る事で、それまでは気が付かなかった模様や文字が浮き彫りになるなどの新しい発見が生まれることは少なくありません。また出土品などでは、発掘時に欠けている部分をデータ上で補う事で本来の姿をイメージする事が出来ます。

3.
デジタルデータにする事で、文化財という国の資産を広く共有することが出来ます。それはインターネットを通して誰もがいつでも知りたい物にアクセスできるからです。米国のスミソニアン博物館では2年以上前から収蔵品の3Dデータを無料で公開しています。また博物館などでは、ガラス越しに片側からしか確認できないような物でも、デジタルデータを活用することで360度見たい角度から多くの情報を取り入れることが出来ます。

 

シュリンクでお手伝いをさせて頂いたのは、スマートフォンアプリの「有馬歴史ガイド」の中の3DCGデータの制作です。
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今回のデジタル化の理由は上記でいう「3」にあたると思います。地域復興や地域おこし、他の国にむけてのPRが目的になってます。ちなみに有馬とは長崎県南島原市にある地名です。

 

 

 

その有馬で出土されたものを3Dスキャンさせて頂きました。大変貴重なものばかりなので緊張します。

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これらの出土品は「有馬キリシタン遺産記念館」という場所に展示、保管されております。
資料館外観

取り込んだスキャンデータを補正していきます。ここで大事なのは色や形状をリアルに伝えることです。文化財の場合、形状が少しでも変わってしまうとデータの価値は無くなってしまいます。

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完成したアプリで見るとこんなかんじ。

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このアプリの中で目を引く出土品が「国宝 黄金十字架」 、とても繊細な装飾がされており、引き込まれるような独特の魅力がありました。サイズは5cmくらいです。普段は大阪の南蛮文化館という場所に収蔵されています。
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黄金十字架の3DCGデータはぜひアプリでご覧ください!
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データ制作は大変でしたが、アプリとして完成した時の喜びは大変大きなものでした。始めて見た時はスタッフみんなで、「おおっっーー!!!」なんて声がでちゃいました。

アプリの詳細はこちらでご確認下さい。有馬歴史ガイドサポートサイト

無料のアプリですので、まずは1度インストールしてみて下さいね。