ブログ

ブログ

shrinkとアーティストが作る招き猫⁉

3e3622fe1fa29ebf52973bb5958c3577_s

ことのはじまりは、「福岡ファッションウィーク」という福岡市で毎年行われているイベントで、わたくしがふと訪れたお店の壁に掛けられた1枚の絵でした。
manekineko

私は以前から招き猫を3Dプリントしたいと思っていたのですが、普通の招き猫では面白くないので少しとんがったものを作れるデザイナーさんやアーティストさんを探してました。この絵を描いたのは私の立ち寄ったお店のオーナーらしく、その日は不在でしたので名刺だけおいて帰りました。すると後日連絡をいただき、トントン拍子で打ち合わせまで進み、イラストを3Dプリンターで立体化してみよう!とまで話が進みました。絵の作者は、福岡、東京、アメリカやアジアなどで活動されている平野 幹さんというアーティストです。

 

アーティスト作品をデジタル化するメリットについて

3Dプリンターで立体化するという事はデジタルデータ化するという事でもあります。デジタルデータ化する事でいくつかのメリットが生まれると私は考えます。

・データゆえ作品の保管が容易
・拡大縮小が可能
・作品が360°web上で閲覧可能
・データで送れるので世界各国で3Dプリントすれば同じものが作れる
・1点ものでもレプリカを出力することで同時に複数の場所での展示会が可能
・絵画のレプリカ販売のように出力品を「グッズ」としても取り扱える

つまりアーティストの作品共有という面において力を発揮するといえます。

はじめにデータ制作

manekineko_data03

イラストからモデリングを行います。平野さんに何度も確認をして可能な限りイラストのイメージに近づけます。

manekineko_data02

あくまでアーティストの作品ですので、弊社モデラーの感情で作らないように心がけました。

manekineko_data04

修正に修正を重ね完成。

完成後にすぐさま3Dプリンターで出力します。素材は特殊な石膏です。

IMG_3126 IMG_3124

並べてみると・・・

manekineko1.1

こんな感じ。

そしてペイントへ

真っ白な招き猫は言わば「立体キャンパス」です。この立体に絵を描いてもらいます。平野さん自身、福岡市を含め様々な場所の建物の壁や階段、シャッターなどの立体物に作品を描いた経験が豊富でしたので、まさにこのプロジェクトにピッタリの適任者だったのです!

DSC07581

簡単に打ち合わせをしてから。。。

DSC07586 DSC07589

ペイントスタート!!

DSC07597

平野さん曰く海外でも招き猫は「Lucky cat」 としてとても人気なんだとか。

縁起もいいし、何よりカワイイと思う気持ちは世界共通なんですかね。

DSC07602 DSC07618

徐々に描かれていきます。声をかけて良いものなのか、しゃべりかけない方が良いのか悩みます(笑)

DSC07681

平野さんの服が変わったのがお分かりになると思いますが、作業は1日では終わらず、2日目に突入。

DSC07699 DSC07701

常人では考えつかないような配色に驚きます。ちなみに私tanakaも通知表の美術(図工?)は常に5でしたよ。えっ?聞いてない?あ、そ。

そして、そして、ついに完成しましたー!!大変お疲れ様でした。

DSC07713

DSC07730

2日間の制作風景を定点カメラで撮り、タイムラプス動画を作成しました。なかなか面白いんでぜひご覧ください。

3Dデータ化

今回のブログは長いですよー(笑)これから、この招き猫を3Dスキャナーで取り込み3Dデータ化していきます。

取り込み中の画面はこんな感じ

Untitled

弊社のスキャナーはホワイトバランス調整もできるのでモデルと近い色を再現できます。

aicon2

背中の鯉もこのようにバッチリとスキャンする事が出来ました。しかし、よく見ると所々にが開いてますね。これは、スキャナーの苦手な黒色部分だと思われます。そういった箇所の修正はシュリンクの得意分野ですので、ノープロブレムです、はい。

そして完成した3Dデータを元にフルカラー3Dプリンターで出力したものがこちらです!

IMG_5372

左がオリジナルで右が縮小して出力したレプリカ。親子みたいで可愛いでしょ。

IMG_5375

側面もこんな感じ。

先ほどの3Dスキャンデータでみて頂いた背中部分も3Dプリントするとこのように!

IMG_5376

最後に平野さんのフィギュアも真ん中に置いてプロジェクト完了。

IMG_5379

今後は・・・

プロジェクト完了とは書きましたが、実はこのような3D技術の活用方法をアーティストさんやファンの方にどのように伝えればいいのかをこれから模索していきます。3D技術を使う事で、「まだ小さな芽であるアーティストも明日には世界に発信できる」そんなことが実現できれば、世界中の人が世界中のアートに触れることができると思います。
どなたか一緒に面白い事やりません?力を貸してください(笑)
「こんな事は出来ないの?」みたいなご質問も大歓迎です。

ご連絡お待ちしておりま~す。