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工業系モデルを3Dスキャン

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こんにちは、牛丼はもっぱら中盛(アタマの大盛)派のtanakaです。最近はフィギュア制作以外の仕事が多くなってきました。今日は先日納品した3Dモデルのご紹介です。

福岡県久留米市のお客様からのご依頼で、展示会用に自社製品の縮小模型を作りたいとの内容でした。
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↑こちらがアルミ(?)でできた鋳物で、これだと持ち運ぶのは一苦労です。簡単に持ち運べて自社製品を分かりやすくPRできるものがあればとお考えでした。

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鋳物の中には「中子」というものがありまして、実はこれがお客様の製品のキモとなる最重要ポイントなのです。
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【ちなみに中子とは・・・・】
中に空洞がある鋳物を造る時に空洞にあたる部分として、鋳型の中にはめ込む砂型です。
複雑な形状を鋳造する時に使用されるもので砂で造られています。
主型と呼ばれる鋳型の中に、砂型(中子)を入れ、金属を流し込むことによってカタチを造り、最後に砂型を崩壊することによって複雑な形状が造られるのです。
約1700~1800度という高熱に耐えられるように特殊な配合の砂を使用しており、半冷却後、ショックを与えて砂を取り出すために工夫が重ねられています。したがって、中子一個一個がすべて消耗品なのです。
しかし、その精度はとても重要であり強度や耐熱性に加えて崩壊性の良さが厳しく要求されています。
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これは上から中子をのせてますが、この位置で鋳物の中に入っています。
完成品は各中子部分にフタをつけることで、鋳物の中に入っている構造を分かりやすく見てもらえるような仕上がりを目指します。

スキャン及びデータ制作は企業秘密のため、お見せできませんがこちらが完成品です。全体の中から中子付近だけをカットして作っております。素材はナイロン樹脂で3Dプリントしました。
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sizeは約200×200×80mmです。

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中子の模型はナイロンではなくフルカラー石膏で再現しました。色だけではなく質感もそっくりに仕上がってます。
フタや中子の取り出しも写真では分かりませんが、狙いどうりにスムーズに行えてます。

展示会の日程の都合で納期は3週間と短かったものの、お客様には無事に納品する事ができ大変喜んで頂けました。
打ち合わせから完成まで短期間で作れる事も3Dプリンターの大きなメリットですね。

今後はさらに工業製品に力を入れていきますよー!