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3Dプリンターで拡大造形したプランクトン模型

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今年も皆さまどうぞよろしくお願い致します!店長のtanakaでございます。

shrinkの今年の目標は「新しい事にチャレンジ!」です。刻々と変わる3D業界に対応すべく、常にアンテナをはって失敗を恐れずに新しい事にチャレンジしていきたいと思います!!

さて昨年のお仕事になるのですが、これまでと少し違った造形モデルを納品致しましたので、ご紹介致します。
福岡の水族館「マリンワールド海の中道」にて昨年12月1日から今年の2月29まで【海のようせい~プランクトンの世界~】という展示が行われております。
その展示物の1つにシュリンク制作の3Dプリンターで拡大造形したプランクトンがあります。これの何がこれまでの造形モデルと違うのかと言いますと。。。

3Dプリンターで出力したモデルを直接納品したのではなく、まず出力したモデルを原型としてそこから型取りをします。出来上がった型に樹脂を流し込み、時間をおいて固まった樹脂の各モデルパーツを接着して納品したのです。

。。。。え?よくわかんない。 ですよね~。

 

では写真で簡単に作業工程をご紹介致しますね。下記は3Dプリンターの活用法として他のプロジェクトにも色々と使えますし、企業様には少ロットのプロダクトであればコスト削減にもなる製造方法ですのでぜひご覧ください。

 

その① モデリング

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まずはとにもかくにも3Dデータが必要です。今回は小さい生き物だと電子顕微鏡の画像等から形状を判断してモデラーたちが制作しました。実物を目で見ることが出来ない為、多くの専門資料などから情報を集めるのに苦労しましたねー。モデリングではシリコン型をとりやすいようにパーツごとに分割してデータを作ります。

その② 3Dプリント出力

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3Dデータが完成した後は、サイズを決めて3Dプリントします。サイズ感を自由に変えることができることが3Dデータでのものづくりの大きなメリットですね。プリントモデルを確認しての細かな修正も短時間で行えます。

その③研磨

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プリントアウトしたものは3Dプリンター特有の「積層」があるため滑らかになるように、根気よくヤスリで研磨をかけていきます。さらにサーフェイサーを吹いて、より滑らかに仕上げます。地味ですがとても重要な作業になります。

その④ シリコン型とり

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3Dプリントしたモデルを一個一個シリコン型をとっていきます。デジタル制作以外のこういった手作業によるモノづくりもシュリンクは得意としています。

その⑤ 色つきレジンを流し込みテストショット

今回は最終的に「透明の素材で制作」というご依頼でしたが、最初に流すレジンは価格が安くて乾燥の早い「色つきのレジン」でテストショットを行います。これはレジンがしっかりと流れていくかを確認したり、シリコンに付着した細かなゴミを取り除くために行います。

その⑥ 透明レジンを流し込む

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色つきのレジンをシリコンから取り出してチェックした後問題が無ければ、ようやく納品素材の透明レジン(クリアレジン)を流し込みます。気泡が入らないように慎重に流し込みます。またシュリンクでは流し込む前に真空脱泡機というものを使いレジン内の空気を抜いておきます。

その⑦ 1日おいてシリコンから取り出す

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1日ほど時間をおいて固まらせ取り出していきます。1度シリコン型を作れば1個で5~10回ほど再利用して使うことが出来ます。ですのでシリコンを傷つけないように慎重にモデルを外していきます。

その⑧ 彩色

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写真を見ながら最適な色を三原色から作っていきます。三原色でできない色(金・銀・蛍光)もしっかりとストックしてます。今回は蛍光色も合わせて使いました。スタッフの腕の見せ所です。

その⑨ 接着して完成!

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彩色が終わった各パーツを接着剤でくっつけていきます。実はモデリングの際にはこの接着面の事も考慮してなるべく接着面が気にならないようなモデルの分割も心掛けています。綺麗にパーツが一体化されれば無事に完成です!

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簡単にご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

実物をご覧になりたい方は「マリンワールド海の中道」の のようせい展、もしくはシュリンクまで!
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ちなみにこんな感じで展示してあります。
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3Dプリンターで造形したモデルは「最終製品」にもなりますし「型を作る原型」にもなり、また最初から「型」として造形することも当然できます。

3Dプリンターの活用法はアイディア次第で無限に広がっていきます。皆様のモノづくりの選択肢に3Dプリンターが加わる事で多くのメリットを生み出せるような環境づくりをshrinkでは行っていきたいと思います。

2016年最初のブログでしたので、すこし真面目にお話しさせていただきました。

次回からはゆる~い感じでぼちぼちといろんな3D話をやっていきますね( *´艸`)

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